ジビエとは
ジビエとは狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉(フランス語)で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化です。そこでは、動物の尊い生命を奪う代わりに肉から内臓、骨、血液に至るまで、全ての部位を余すことなく料理に使い、生命に感謝を捧げようという精神が流れています。山野を駆け巡り大空を舞った天然の肉は、脂肪が少なく引き締まり、栄養価も高い、まさに森からの贈り物。力強く生命力に溢れた冬季限定のごちそうです。。
田畑を守れ!
野生鳥獣被害
現在、日本では野生鳥獣が増えすぎてしまい、農林業や自然環境にとって大きな問題になっています。おもにシカやイノシシ等が農作物を食べたり、田畑を荒らしたり、スギ、ヒノキやブナなどの樹皮や高山植物を食害するなど、深刻な被害をもたらしています。結果、営農意欲の低下や耕作放棄地の増加をもたらし、さらなる野生鳥獣の住処の拡大に繋がっています。農作物への被害額は一時200億円を上回りました。全国での捕獲体制強化の結果、平成29年度には164億円まで減少しましたが、今後も継続的に捕獲をしていく必要があります。
鹿肉(シカ)
シカはクセが少なく食べやすいことから、ジビエの中でもとくによく扱われている食材です。高タンパク・低脂肪ととてもヘルシーで、鉄分も豊富に含まれています。調理方法としてはじっくりと火を通すローストが一般的です。日本では唯一生息しているニホンジカが主に食べられており、中でも北海道のエゾシカや本州のホンシュウジカなどの亜種に分けられます。エゾシカはジューシーで味が濃く、ホンシュウジカはあっさりした味わいで食べやすいのが特徴です
猪肉(イノシシ)
イノシシはシカと並んで日本でも古くから食べられてきた食材です。もともと「シシ」は肉を意味する言葉で、イノシシとは「猪(イノ)の肉」を指していました。イノシシを家畜化した動物が豚ということもあり、イノシシと豚肉の味は似ています。脂が乗っていますがしつこくなく、甘味や旨味が濃厚です。また豚肉と同等のカロリーでありながら、ビタミンや鉄分をより多く含んでいます。日本ではイノシシを用いた鍋料理である「ぼたん鍋」がよく知られています。
鴨肉(カモニク)
カモもジビエに含まれますが、日本では和食でよく扱われることから古くからなじみ深い食材です。ただし、現在は養殖や家禽(かきん)化されたカモがよく食べられています。そのため、日本でジビエのカモといえば野生のマガモを指すことが多いです。カモは脂が最ものる冬が旬で、マガモも冬から狩猟が解禁されます。味は鶏肉に似ていますが、脂質を多く含んでいるためこってりとしているのが特徴です。日本では鴨南蛮やすきやきなどに用いられることが多い一方で、海外ではローストやソテーで食べられています。
雉(キジ)
キジは今でこそ日本で食べられることは少ないですが、かつては献上されることもあった高級食材です。民話や童謡でもなじみがあり、味も良いことから日本の国鳥にも選ばれています。肉は独特の香りと食感が特徴で、鶏の胸肉に似て淡白な味です。一般的には鍋料理でよく食されます。
鶏肉(トリ)
鶏肉には「たんぱく質」が豊富に含まれていると言われています。たんぱく質は筋肉や皮膚、髪や爪など、身体のあらゆる組織をつくるのに欠かせない栄養素。健康を維持するためにも、たんぱく質は毎日しっかり摂取することが推奨されています。また、たんぱく質を構成するアミノ酸の中には、体内でつくることができない「必須アミノ酸」が含まれています。鶏肉にはこの「必須アミノ酸」がバランスよく含まれているそうです。むね肉は、高たんぱくで低脂肪と言われている部位。抗酸化作用や疲労回復効果があるとされるイミダペプチドが豊富に含まれているのが特徴だそう。また、トリプトファンという栄養素が含まれていて、寝つきをよくし、眠りを深くする効果が期待できるそうです。
牛肉(ギュウ)
ヒレはサーロインの内側で、脂身の少ないあっさりした味です。ステーキにして食べるのが一番です。
肩ロースは肩の部位のすぐ後ろの背中の部分です。きめ細かく風味がよいのが特徴で、ステーキ、肉じゃが、すき焼き、しゃぶしゃぶなど、いろいろな食べ方があります。スネとは、牛の脚・ふくらはぎ周りの部位で、じっくりと煮込むと口当たりもよくなり、とろけるような味わいが楽しめます。ハラミは、肺を動かすための横隔膜の筋肉です。ホルモンに分類されますが、クセがなくてお肉のような食感がある食べやすい部位です。ビーフジャーキーには赤身肉が使われます。赤身肉と言えばモモです。内モモは較的脂肪が少ない赤身肉が特徴です。外モモは内モモより濃い味になります。赤身肉を食べると上質のタンパク質が摂れます。その赤身肉を使った加工品のビーフジャーキーを食べ、不足しがちな栄養素を補いましょう
兎肉(ウサギ)
ウサギは肉が柔らかく、淡白な味わいが特徴の食材です。食用として養殖された「ラパン」と、ジビエに用いられる「リエーブル」に分けられます。日本でもかつては狩猟の対象で、一部の地域で食用とされてきました。ジビエ料理ではローストや、オイルでじっくり煮るコンフィなどで食べられています。